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日本の名字の話。いちばん長い名字、多い名字、名字の生まれ

名字は、生まれたときから、もう決まっている名前です。自分で選んだわけではないのに、毎日のように書き、呼ばれ、家族みんなで分け合っています。日本には、いったいいくつの名字があるのでしょう。いちばん長い名字は、どんな名字でしょう。名字は、どこから生まれたのでしょう。このページでは、名字の話をやさしくお伝えします。

日本の名字は、いくつあるの?

じつは、はっきりした数はわかっていません。他人の戸籍は見られませんし、国の国勢調査でも、名字の数は数えていないからです。

そのため、数は見方によって大きく違います。名字の研究家の話として、「十数万」「約18万」という数が紹介されることもあれば、30万ほどとする見方もあります。国立国会図書館のレファレンス協同データベースでも、約29万の名字を収めた辞典が紹介されています。

数がここまで違うのは、数え方が違うからです。

どれを別に数えるかで、数は倍ほども変わります。いずれにしても、日本は、名字の種類がとても多い国だと言えます。

多い名字は、佐藤・鈴木・高橋

国は名字の数を数えていません。そのなかで大きな手がかりになるのが、明治安田生命が2018年に発表した「全国同姓調査」です。同社の保険に入っている約656万人の名字を数え、日本の人口にあてはめて人数を見積もっています。それによると、全国でいちばん多い名字は「佐藤」です。

順位名字人数(見積もり)
1佐藤約194万人
2鈴木約182万人
3高橋約143万人
4田中約133万人
5渡辺約119万人

このあとに、伊藤・中村・小林・山本・加藤と続きます。保険に入っている人を数えた見積もりなので、本当の人数とは少し違います。名字の研究家の見積もりなど、ほかの調べでは順位や人数が少しずつ違うこともありますが、佐藤・鈴木・高橋が上の三つに並ぶことは、どの調べでも同じです。上位100の名字は、「多い名字100の天格と、名付けのしやすさ」で、姓名月が一つずつ画数を数えています。

いちばん長い名字と、いちばん短い名字

名字の研究家によると、今もあることが確かめられている名字の中で、いちばん長いのは漢字五字の名字です。「勘解由小路(かでのこうじ)」と「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」の二つです。

読み方の長さでくらべると、かなで八字になる名字があります。

名字読み方字の数読みのかなの数
勘解由小路かでのこうじ5字6字
左衛門三郎さえもんさぶろう5字8字
東坊城ひがしぼうじょう3字8字
東四柳ひがしよつやなぎ3字8字

名字の研究家は、かなで八字の名字として、このほかに「南坊城(みなみぼうじょう)」「大正寺谷(だいしょうじたに)」なども挙げています。「東四柳」は、ローマ字で書くと「Higashiyotsuyanagi」の18字にもなります。

辞典やインターネットには、漢字六字以上の名字が載っていることもあります。けれど、名字の研究家は、そうした名字が今もあるかを確かめた人はいない、と指摘しています。

反対に、いちばん短い名字は、漢字も読みも一字の名字です。名字の研究家によると、たとえば、「井(い)」「紀(き)」「喜(き)」という名字があります。名字が漢字一字の家は、奄美大島などの南西諸島に多く見られますが、読みまで一字となると、少ないそうです。同じ字でも、ほかの読み方をする家もあります。

名字は、どこから生まれたか

名字の生まれ方は、家ごとにさまざまです。よく知られているものを、いくつかご紹介します。

とても多いのが、住んでいた土地の名前から生まれた名字です。たとえば「高橋」は、高い橋のある場所、という意味の地名から生まれた名字だとされています。上の順位を見ても、田中・山本・中村・小林と、田・山・村・林といった、土地の様子を思わせる字がたくさん並んでいます。

方角の字が入った名字もあります。「東坊城」の「東」は、方角を表しています。

昔の役所や役目の名前から生まれた名字もあります。「左衛門三郎」の「衛門」は、昔の朝廷で、宮の門を守った役所(衛門府)の名前です。この役所に勤めた三郎という人の子孫が名乗った、と考えられています。「勘解由小路」は、京都にあった小路の名前から生まれた名字で、その小路の名前は、勘解由使という朝廷の役所にちなむと言われています。

仕事と結びついた名字もあります。名字の研究家によると、伊勢神宮の斎宮寮に勤めた「斎藤」、木工助という役についた「工藤」のように、仕事と組み合わせた名字も生まれました。

「藤」のつく名字には、よく語られる話があります。平安時代に大きな力を持った藤原氏の「藤」をとり、そこに、つとめた役目や住んだ土地の字を合わせた、という話です。「佐藤」は、左衛門尉という役についた藤原氏の人の子孫が、「左」と「藤」から名乗ったとされます。「伊藤」は伊勢の藤原、「加藤」は加賀の藤原から、とも言われます。ただし、「佐藤」の「佐」にも、ほかの説があります。名字の生まれは家ごとに違い、ひとつの説だけで決めることはできません。

みんなが名字を名乗るようになったのは、明治から

江戸時代、武士ではない人々の多くは、名字をおおやけに名乗ることが許されていませんでした。けれど、名字を持っていなかったわけではありません。お寺や神社へ寄進したときの帳面などには、名字が書かれていることがよくあります。名字は、おおやけには使わず、内々に大切に持たれていたのです。

明治になって、それが変わります。

年できごと
1870年(明治3年)9月19日太政官布告で、武士ではない人々(平民)も名字を名乗ってよいことになりました(平民苗字許可令)。9月19日が「苗字の日」とされるのは、この日にちなんでいます。
1875年(明治8年)2月13日名字を許されても、届け出はなかなか進みませんでした。そこで、かならず名字を名乗るよう定めた太政官布告が出されました(苗字必称義務令)。祖先からの名字がわからない人は、新しく名字をつけるように、とされました。

このとき、多くの人が、ふるさとや住む土地の名前を名字にしました。字が書けない人のために、村の役人や、お寺のお坊さん、学校の先生などが名字を考えてあげたこともあったそうです。今の名字の中には、このときに家族のために選ばれた名字もたくさんあります。

名字には、古い字が残っている

子どもの名前に使える字は、法律で決まっています。戸籍法には、「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない」と書かれています。けれど、この決まりは子の名前(名)のためのもので、名字(氏)には当てはまりません。

そのため、名字には、古い形の字や、少し形の違う字が、今も残っています。

今よく使う形名字に残る形
沢→澤
辺→邊・邉
崎→﨑
斎→齋

こうした字は、家族が代々書いてきた形です。一方で、「澤」や「﨑」は、赤ちゃんの名前には使えません。家族の名字から一字もらって名前をつけたいときは、「名前に使える字」で確かめておくと安心です。古い字と新しい字の違いは、「旧字体と新字体」でくわしくお伝えしています。

名字と、姓名判断の画数

姓名判断では、名字の画数を合わせた数を「天格」と呼びます。家系から受け継ぐ数で、同じ名字の家族は、みんな同じ天格を持っています。たとえば「佐藤」なら、「佐」の7画と「藤」の18画で、天格は25です。

姓名月は、名字も、今の字のまま、見たとおりに数えます。

名字の字姓名月での画数
沢7画
澤16画
斎11画
齋17画

戸籍の字と、ふだん書いている字が違う方もいます。姓名月では、毎日書いて、人に呼ばれている名前の字で見ることをおすすめしています。くわしくは「戸籍と日常の名前」をご覧ください。

結婚などで名字が変わると、天格が変わります。名字と名前をつなぐ人格や、全体の総格も変わり、外格が変わることもあります。名前だけで決まる地格は、そのままです。新しい名字になったら、その名字で、あらためて鑑定してみてください。

よくある迷い

日本の名字は、全部でいくつありますか?

はっきりした数はわかっていません。国が名字の数を数えていないためです。十数万とする見方から、30万ほどとする見方まであります。字の形や読み方が少し違う名字を、別の名字として数えるかどうかで、数が大きく変わります。

名字に古い字が入っています。姓名月では、どう数えますか?

ふだん書いている字のまま、見たとおりに数えます。「澤」と書いているなら「澤」で、「沢」と書いているなら「沢」で数えます。新しい字を古い字に直して数えることはしません。

結婚で名字が変わると、画数も変わりますか?

変わります。名字の画数でできる天格が変わり、名字と名前をつなぐ人格や、全体の総格も変わります。外格が変わることもあります。名前だけで決まる地格は、そのままです。新しい名字で、あらためて鑑定してみてください。

名字に使われている古い字を、子どもの名前にも使えますか?

使えるとは限りません。名前に使える字は、法律で決まっています。たとえば「澤」や「﨑」は、名字では今も使われていますが、子どもの名前には使えません。くわしくは「名前に使える字」をご覧ください。

名字は受け継ぐもの、名前は最初のおくりもの

名字は、自分で選んだものではありません。親から、そのまた親から、長い時間をかけて手渡されてきた、家族の名前です。そこには、ふるさとの景色や、昔の人のつとめ、明治のころに家族のために選ばれた思いが、静かに残っています。

そして名前は、その名字のあとに続く、その人だけのおくりものです。受け継いだ名字と、贈られた名前。二つがそろって、ひとりの人の名前になります。ご自分の名字がどんな道をたどってきたのか、たまには思いをめぐらせてみてください。

あなたの名字の画数(天格)を見てみませんか。

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名字と名前を、ふだん書いている字のまま入れてください。

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