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名前は、人生で最初のおくりもの。その名前の「読み方」が、いまは戸籍に載るようになりました。どんな響きで呼ばれる子になるのか。字を選ぶのと同じくらい、読み方を選ぶ時間も大切になっています。このページでは、名付けをするご家族が知っておきたい読み方の決まりを、国が示していることにそって、やさしくお伝えします。
これまで、戸籍に載っていたのは名前の字だけで、読み方は載っていませんでした。
令和5年(2023年)6月2日に、戸籍法を改める法律が成立しました。そして令和7年(2025年)5月26日から、戸籍に、氏名とあわせて、その振り仮名が載るようになりました。氏(姓)の振り仮名と、名の振り仮名の両方です。
戸籍の振り仮名は、カタカナで書かれます。小さな「ッ」や「ャ」、のばす音の「ー」も使えます。
国は、読み方が戸籍に載ることで、本人であることを確かめる手がかりにしたり、役所の仕事を進めやすくしたりできる、と説明しています。
赤ちゃんの出生届を出すときは、名前の読み方もあわせて届け出ます。その読み方が、はじめから戸籍に載ります。
出生届は、生まれた日から14日以内に出します。字を決めるのと同じように、読み方も、届け出る前にしっかり決めておきましょう。声に出して何度も呼んでみること、姓と続けて呼んだときの響きを確かめること。それが、これからは「字を選ぶこと」と同じくらい大切になります。
戸籍法では、振り仮名の読み方は、「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」でなければならない、と決められました。
では、どんな読み方が認められないのでしょうか。法務省は、例として次のようなものを挙げています。
このほか、世の中を混乱させるものや、差別的なもの、いやらしいもの、社会に反するものなど、世の中の常識からみてふさわしくない読み方は認められない、とされています。
大切なのは、ここで線が引かれているのは、字とのつながりがほとんどない読み方や、人を傷つける読み方だということです。字の意味や読み方とつながりのある読み方まで、だめだと言っているわけではありません。めずらしい読み方の名前にも、名付けた人の思いがこめられています。ひとつひとつの読み方が届け出られるかどうかは、届け出をする市区町村の窓口で確かめてください。
一度戸籍に載った読み方は、気軽には変えられません。決まりは、次のとおりです。
| 変えたいもの | 決まり |
|---|---|
| 名の読み方 | 正当な事由があるとき、家庭裁判所の許可を得たうえで届け出ます。 |
| 氏(姓)の読み方 | やむを得ない事由があるとき、戸籍のいちばんはじめに載っている人とその配偶者が、家庭裁判所の許可を得たうえで届け出ます。 |
裁判所は、ここでいう「正当な事由」を、変えないとその人の社会の暮らしに差しさわりが出る場合とし、ただの好みや気持ちだけでは足りない、と案内しています。また、名前の字を変えるときは、読み方が同じでも、読み方の変更の許可もあわせて要ります。裁判所は、「一郎(いちろう)」を「市朗(いちろう)」に変える例を挙げています。字と読み方は、戸籍の上で、二つで一組なのです。
出生届で届けた読み方も、この決まりにそって変えることになります。だからこそ、届け出る前に、ご家族でじっくり確かめておくことが大切です。
令和7年5月26日より前から戸籍に載っていた方には、本籍地の市区町村から「戸籍に載せる予定の読み方」の通知が届き、違っていれば届け出て直す期間がありました。この期間は、令和8年(2026年)5月25日で終わっています。届け出なかった方は、通知の読み方が戸籍に載ります。罰則や罰金はありません。
こうして市区町村長が載せた読み方に限り、一度だけ、家庭裁判所の許可なしに、届け出で変えられます。ご自分で届け出た読み方は、この例外に当たりません。振り仮名のことでお金を求める連絡があれば、詐欺を疑ってください。くわしくは、本籍地の市区町村の窓口で確かめてください。
法務省は、読み方が戸籍に載ることで、住民票の写しやマイナンバーカードにも読み方を載せられるようになる、と説明しています。
また、年金やパスポートなど、ほかの手続きですでに使っている読み方が、戸籍の読み方と違う場合は、そちらの手続きで変更が必要になることがある、とも案内しています。パスポートの名前は、漢字ではなくローマ字で書かれます。外務省は、戸籍に読み方が載った人は、その読み方にそったローマ字で申し込むよう案内しています。名前の読み方は、海外で名乗る名前の形まで決めるのです。気になる方は、それぞれの窓口で確かめてください。赤ちゃんのマイナンバーカードやパスポートの手続きは、「赤ちゃんの名付け」の「名前が決まったあとの手続き」にまとめています。
姓名月は、名前の画数を、書いた字のとおりに数えます。読み方が変わっても、字が同じなら、画数は変わりません。
けれど、名前は毎日、声に出して呼ばれるものです。家族に呼ばれ、友だちに呼ばれ、いつか自分の子どもにも呼ばれる。その響きは、画数と同じくらい、その人の暮らしに寄りそいます。読み方が戸籍に載るようになったいま、響きを大切に選ぶことの意味は、これまで以上に大きくなりました。
姓名月では、名前を入れるときに「よみ」も入れると、画数とあわせて、名前の響きも読みます。名付けの候補を比べるときは、字だけでなく、読み方もそえて見てみてください。名付けの進め方は、「赤ちゃんの名付け、画数はどう見る?」に、使える字は「名前に使える字」にまとめています。
赤ちゃんの名前の読み方は、あとから変えられますか?
出生届で届けた名前の読み方を変えるには、正当な事由があり、家庭裁判所の許可を得たうえで届け出ることになります。気軽に変えられるものではないので、届ける前に、ご家族で何度も声に出して確かめてください。
読み方が変わると、画数も変わりますか?
変わりません。姓名月は、書いた字のとおりに画数を数えます。読み方は、毎日呼ばれる響きとして、画数とは別に読みます。
通知が届いたのに、何もしませんでした。大丈夫ですか?
通知の読み方が正しければ、それで大丈夫です。届け出がなかったときは、通知の読み方が、本籍地の市区町村長によって戸籍に載ります。届け出なかったことへの罰則や罰金もありません。もし読み方が違っていたら、こうして載った読み方は、一度に限り、家庭裁判所の許可なしに、届け出だけで変えられます。くわしくは、本籍地の市区町村の窓口で確かめてください。
振り仮名のことで、お金を払うように言われました。
法務省は、振り仮名の届け出に手数料はかからず、届け出なかったことへの罰金もないと案内しています。お金を求める連絡は、詐欺を疑ってください。法務省が、ほかのサイトへ案内するメールを送ることもありません。
字は、目で見て受け取る名前。読み方は、耳で受け取る名前です。どちらも、その子がこれから一生、いちばん多く受け取るおくりものになります。呼ぶたびに家族の心があたたかくなる響きを、ゆっくり選んでください。
三右衛門の知見と、裏づけの資料